新潟県内ベンチャー企業詳説 #1 ~技術/製造業編①~

新潟県内ベンチャー企業詳説 #1 ~技術/製造業編①~

こんにちは、Yagiです。

先日公開した「新潟県内 ベンチャー企業カオスマップ 2023」の掲載企業の詳細説明 #1 ということで、今回は「技術/製造業編①」となります。

技術をベースにニッチ領域で国内トップシェアを誇る株式会社WELCONさん、ものづくりの技術を持ちつつことづくり、まちづくりへと事業領域を拡げている株式会社MGNETさん、そして独自技術をもとに全国初の高専発ベンチャーとして道を切り拓いている株式会社IntegrAI さん。

三社三様の個性を持った企業をご紹介させていただきます。

株式会社WELCON

<基本情報>

・所在地:新潟県新潟市秋葉区矢代田3640番地

・創設年:2006年

・従業員数:87名(2023年6月時点)

・経営理念:

 1.技術革新により、社会の発展に貢献する。

 2.創造することを楽しみ、変革と差別化を追及する。

 3.顧客、取引先、仕入先、従業員すべてが喜ぶ。

 4.地域に希望を与え、活性化に寄与する。

・主な事業内容:

 ①拡散接合に関する技術開発

 ②自社開発製品の製造・販売

 ③拡散接合受託加工

<会社紹介>

「拡散接合技術」に強みを持つ企業です。

簡単に説明すると、拡散接合技術とは金属などを接合させる方法のひとつで、一般的な溶接(熱で溶かして接合する)ではなく、原子レベルでくっつけさせることができる方法です。溶かさずに接合できる分だけ加工の精度が上がるため、もともと加工された部品同士をさらに接合させるといった、難易度の高い加工を行うことができるようです。

その技術を生かして高難度の加工を受託するのはもちろんですが、その技術を生かした企画段階から、開発・設計・量産までワンストップで対応しています。

実際に、燃料電池自動車用水素ステーション向けの熱交換器ではトップクラスの国内シェアを誇るなど、特定領域において非常に尖った企業です(マイナビより)

2006年の創業ですが近年急成長を遂げており、2013年には3億円だった売上が2021年には16億7,500万円、8年間で5倍以上に伸びています。

今後の更なる成長を見据えた新卒採用も行っており、直近では大卒及び大学院卒の方を複数名採用しています。

株式会社MGNET

<基本情報>

・所在地:新潟県燕市東太田 14-3

・創設年:2011

・従業員数:12 名(2023年10月時点)

・MISSION STATEMENT:

 Make Good Networks.

 (詳細は同社HPを参照)

・主な事業内容:

 >自社ブランド「FOR」「nous」の企画・開発・販売、および自店舗運営

 >ものづくり産地を中心とした企業、行政に対するブランディング事業

 >新商品開発や事業運営のための企業コーディネート事業

<会社紹介>

親会社である武田金型製作所の広報部署がスピンアウトして誕生した企業で、ものづくり、ことづくり、まちづくりを事業の三本柱として掲げています。

ものづくり事業は、食器や店舗の装飾のほか、名刺入れやCDケース、アクセサリー、小学校向けのタイムカプセルなど、幅広く金属製品を手掛けています。金属の新たな価値提案として、様々な試みをしていらっしゃいます。

ことづくり事業は、企業のブランドディレクションやサイト制作、カタログデザインのほか、工場見学ツアーの企画や高校生/大学生との連携なども手掛けています。元々の強みであるマーケティング支援の力がベースとしてあるようにお見受けしますが、それを自社が稼ぐためだけでなく、地域の未来につながる事業にも活用しています。事業としての収益性を担保しつつも地域の未来を創っており、持続可能な地域活性化の一つの形だと思います。

そして、まちづくり事業は、地元燕市・三条市を中心としつつ、新潟県内にまで影響の輪を広げています。小中学生を対象とした事業のほか、三条市インターンシップ受入促進や燕市移住・定住コミュニティの設計など、新潟の未来にとって必要なことに向き合っていらっしゃいます。

新卒/中途を問わず採用も行っており、地域コーディネーター(観光PR事業、地域交流事業、空き家の利活用事業)、一般応募スタッフ(プロデューサー、ディレクター、デザイナー)の募集がなされています。

(※最新の募集状況は同社公式サイトよりお問い合わせください)

株式会社IntegrAI(インテグライ)

<基本情報>

・所在地:

 >東京都文京区本郷6-25-14宗文館ビル3階HONGO EGG内

 >新潟県長岡市西片貝町888番地

・創設年:2020年

・従業員数:不明

・ビジョン:

 あらゆるものは小さなピースからなりたっています。 IntegrAIはintegral + AIが由来になっています。

 integralは数学における積分、つまり、小さなパーツをまとめる操作を意味します。たとえ、学生であっても少 しずつ前進し、繋がりにより実体をもつ形をつくることができると信じています。

 そして、インテグライはそれを最新のAI技術により実現を目指します。

・主な事業内容:

 >製造業におけるメータ監視を自動化するAIカメラの開発・販売

<会社紹介>

長岡高専発のAIスタートアップで、立ち上げメンバーは、長岡高専で教員を務める矢野昌平氏と、モンゴルからの留学生2名の計3名です。3名で「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)」に出場し、優勝したことをきっかけに創業した企業です。

製造機械に取り付けたカメラとディープラーニングを利用し、アナログメータやデジタルメータ、制御盤などの情報を定期的にデジタルデータ化し、蓄積し遠隔監視するシステム「IntegrAI camera」を提供しています。

製造業のDXによる効率化は非常に重要な課題ですが、現在使われている多くの機械は現場での確認が必要です。機械を入れ替えてデジタル化することで効率化を実現できますが、それには大きなコストがかかることから、生産性が低い状態での操業を続けざるを得ない会社は少なくありません。

そんな製造現場の課題に対して、大きなコストをかけて機械をアップデートするのではなく、既存の機械のメータを読み取れる後付けのAIカメラで解決することを提案しているのが、このIntegrAI cameraです。

4年にわたる開発を経て世に出たプロダクトであり、技術的にも素晴らしいものだと思いますが、何よりも現場の課題を的確に捉えたところからスタートしている点が、IntegrAI社が成長を遂げた理由ではないかと感じました。

そして、IntegrAI社は全国で初めての高専発ベンチャーという顔も持っています。ちなみに、フラーの創業者渋谷さんも長岡高専のご出身。大学発ベンチャーが各地で盛り上がっていますが、長岡高専発ベンチャーとしても、次々と後に続く会社が出てきたら面白いなとも期待してしまいます。

まとめ

新潟県内ベンチャー企業詳説#1では、株式会社WELCONさん、株式会社MGNETさん、そして株式会社IntegrAIさんの3社をご紹介させていただきました。

今後、「新潟県内 ベンチャー企業カオスマップ2023」に掲載させていただいた全企業を対象に、このような形で紹介記事を執筆させていただくことを予定しております。

次回は、「#2 技術/製造業編②」です。お楽しみに!

※注意事項※

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