こんにちは、Yagiです。
突然ですが、皆さんは最新版の「新潟県総合計画」(2019.03)を読んだことはありますか?
新潟県総合計画とは、会社でいうところの中期経営計画にあたります。最新版の計画は2018年度から24年度までの7年間、新潟県が何を目指し、どのような施策を打っていくのかを取りまとめたものです。
新潟県がこの数年、何を課題として認識し、それに対してどんな方針を打ち出し、施策に落とし込んでいるのかを、非常に丁寧にまとめてくれています。
新潟の今を知り、未来を語るうえでの必読書と言えるでしょう。
とはいえ、228ページの重厚長大な計画を貴重な休日を使って読み込む人も少ないかと思います。
私も避けて通れるなら避けたかった。
ですが、このブログを閲覧中の新潟を愛するあなたにぜひ読んでいただきたく、今回腕まくりして取り掛かった次第でございます。
想定読了時間5分程度の内容のまとめようと思っていますが、ついつい書きすぎてしまったらごめんなさい。ぜひ、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
新潟県総合計画の全体構成
まず、新潟県総合計画にはどのような項目が記載されているのか、全体の構成を見ていきましょう。
目次を確認すると、全6章の構成となっています。
冒頭16ページまでで、計画策定の背景、外部/内部環境を踏まえた課題分析、それを踏まえた新潟県のめざす姿をまとめています。
その後、17ページから182ページまでの165ページにわたって、3つの目指す姿に基づく政策展開方針を詳述しています。
そして、第5章で約30ページを割き、深刻さを増す人口減少問題への対応を説明したうえで、第6章で今後の各種施策の実施方針や追うべき成果指標一覧を掲載しています。
目次
第1章 計画改定にあたって(P.1~4)
第2章 社会経済状況の変化と新潟県の特性・課題(P.5~12)
第3章 新潟県のめざす姿(P.13~16)
第4章 政策展開の基本方向(P.17~182)
Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟(P.22~99)
Ⅱ 地域経済が元気で活力のある新潟(P.100~161)
Ⅲ 県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟(P.162~182)
第5章 人口減少問題への対応(P.183~210)
第6章 計画の推進にあたって(P.211~)
本ブログではここから要点をまとめていきますが、ここで寄り道をして、元々の総合計画を読んでみたいという方へのオススメの読み方をご紹介します。
まずは1~3章、P.16まで目を通せば、新潟県の課題認識とそれに対する対策の方向性が見えてくると思います。
一旦、この16ページだけ読めばOKです!
そのうえで、第4章、第5章については、目次を見たりKW検索をしたりして、関心のあるところを読みましょう。(ページ順に全てを読み込もうとすると挫折する可能性が極めて高いので、オススメしません)
そして、第6章は特に気にならなければスルーして問題ありません。
ということで、まずはこの記事で概要を掴んでから(←ココ重要)、興味を持った方は末尾のリンクから新潟県総合計画の原典へ当たってみてください!
では、ここから本題に戻っていきます。
新潟県総合計画で示されている県の重点方針
新潟県の基本理念は、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」です。
説明としては、以下のように記載されています。
県民の皆様が、新潟の魅力・新潟らしさ「新潟ブランド」を意識し、新潟に住んでいることを誇りに思い、これからも住み続けたいと思える新潟県、そして、国内外の方々が新潟に魅力を感じ、訪ねてきていただける新潟県を目指します。
住んでいる人が「新潟ブランド」を誇りに思えること、新潟県外の人が魅力を感じ、訪れてくれることの2つを大切にしようという考え方です。
そして、そんな新潟県の基本理念を実現するために、6つの将来像が提示されています。
それが、こちらです。
- 安全に安心して暮らせる新潟
- 県民すべてが生き生きと暮らせる新潟
- 誰もが社会参画できる新潟
- 多様な人や文化が交わる賑わいのある新潟
- 活力のある新潟
- 県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟
1,2,3をまとめて将来像Ⅰ「安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟」、4,5をまとめて将来像Ⅱ「地域経済が元気で活力のある新潟」、6を将来像Ⅲ「県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟」として、それぞれの将来像を実現するための施策を、政策体系という形で詳述しているという構成です。
そして、将来像Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを実現させることで、最終的には人口減少問題を解決していくというのが、新潟県の重点方針になります。
県の重点方針の裏にある現状認識
個別施策を深掘りする前に、県の重点方針の裏にある現状認識についても確認してみましょう。
6項目に分けて、新潟県の現状を各項目1ページほどにまとめてくれていますので、ここでは各項目2,3行で簡単に現状認識の要点をまとめていきます。
1.人口構造の変化
→全国よりも速いペースで少子高齢化が進展していることが大きな課題
2.暮らしを取り巻く状況変化
→医師不足、増加している要介護(要支援)認定者数への対応が課題
→多様なニーズに対応した社会全体での子育て支援環境づくりを推進することが必要
→全国平均を上回る健康寿命、充実した子育て支援環境は、強みである
3.安全・安心への意識の高まり
→多発する自然災害、人口減少等によるコミュニティの弱体化が課題
→自然災害に対する経験や教訓を蓄積してきていることは強みである
→交通事故件数自体は減少傾向にあるが、高齢者の交通事故防止に取り組む必要がある
4.産業構造の変化
→食品、機械、金属加工など、多様な産業集積と優れた技術は強みである
→しかし、従業者1人当たり製造品出荷額等、付加価値額は全国低位であることが課題
→農林水産業については、恵まれた自然環境と高い技術により高品質であるが、小規模農家が多く高齢化が進んでいるという課題もある
→全県的な課題として、企業の人手不足感が高まっている
5.人流・物流の変化
→日本海側の拠点として充実した交通ネットワークを有しているものの、公共交通ネットワークの利便性の低下と拠点性の相対的な低下が起こっている
→外国人宿泊者数は増加傾向にあったが、延べ宿泊者数全体は横ばいで推移している(コロナ前)
6.教育を取り巻く環境変化
→児童生徒の学力は全国平均以上で、多くが地域社会との関わりを持っている
→いじめによる重大事案の発生や、特別な教育的ニーズのある児童生徒数の増加への対応が必要である
→教員の指導力の向上や多忙化の解消が必要である
→地域の実情を考慮した高等学校の魅力化、特色化に取り組む必要がある
→大学等進学者の約6割が県外に進学している
以上が、新潟県による、新潟県の現状認識となります。
重点方針との紐づきとしては、
「1.人口構造の変化」が「人口減少問題への対応」へ
「2.暮らしを取り巻く状況変化」と「3.安全・安心への意識の高まり」が「将来像Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟」へ
「4.産業構造の変化」と「5.人流・物流の変化」が「将来像Ⅱ 地域経済が元気で活力のある新潟」へ
「6.教育を取り巻く環境変化」が「将来像Ⅲ 県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟」へ
それぞれ繋がっている形になります。
新潟県総合計画で示されている具体的な施策
ここからは、1つずつの施策の方針について、簡単にポイントをお伝えしていきます。
少し長いので、サクサク読み進めて個別施策のイメージを持っていただければと思います。
将来像Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟
1.安全に安心して暮らせる新潟
ここでは、主に6つの取組を挙げています。
⑴防災・減災対策、⑵地域基盤づくり、⑶原子力防災対策の推進、⑷安全で安心なまちづくり、⑸豊かな自然・環境の保全と未来への継承、⑹拉致問題の全面解決に向けた取組です。
安心安全を実現するために、県として取り組むべき内容です。
全てを説明してしまうとあまりにも長い記事になってしまうので、将来像については1つずつ切り分けて記事化していこうと考えています。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
自然災害に対し、一段加速した対策を進め、原子力災害に対して万全に備えるとともに、身近な暮らしの安全を確保し、誰もが安全に安心して暮らせる新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴防災・減災対策としては、ハードとソフトの両面からのアプローチと災害発生時の二次被害防止と迅速な復旧による被害の抑止、さらには防災・危機管理体制の強化と広域的な応援・受援体制等の整備などの防災・危機管理体制の強化を挙げています。同時に、県民の防災意識や地域防災力の向上に向けた啓蒙活動や消防団等への支援も行っていきます。
関連する個別計画は下記です。
・にいがた防災戦略
⑵地域基盤づくりとしては、インフラ施設の予防保全型の維持管理、道路整備や河川・海岸等の保全、建設産業の持続的な振興などが挙げられています。
関連する個別計画は下記です。
⑶原子力防災対策の推進としては、いわゆる3つの検証「福島第一原発事故の原因の検証」「原発事故が私たちの健康と生活に及ぼす影響の検証」「万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法の検証」を徹底的に行うこと、実効性のある避難計画を策定すること、訓練実施や避難実施体制の強化、そして放射線モニタリングを挙げています。
関連する個別計画は下記です。
⑷安全で安心なまちづくりとしては、犯罪被害抑制の観点から、特殊詐欺対策や重要犯罪の検挙、組織犯罪対策のほかサイバーセキュリティやテロ対策、犯罪被害者支援などを挙げています。また、女性・子ども・高齢者・障害者などの安全の確保、消費者被害の防止、交通安全対策の推進、食の安全・安心など、幅広く県民の暮らしにかかわる領域を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
・新潟県犯罪のない安全で安心なまちづくり推進計画(H29~H32)
・新潟県配偶者暴力防止・被害者支援基本計画(H26~H32)
・にいがた AFF リーディングプラン(新潟県農林水産業施策推進計画)(H29~H32)
・新潟県食肉流通合理化計画(H28~H37)
⑸豊かな自然・環境の保全と未来への継承については、人と自然の共生の観点から、野生鳥獣管理やトキとの共生、水環境の保全などを挙げています。持続可能な環境づくりの観点からは、低炭素社会の構築、環境負荷の少ない社会づくり、新潟水俣病の教訓の継承などを挙げています。そして、循環型の地域社会づくりとして、3Rの推進や廃棄物の適正処理、不法投棄対策なども挙げています。
関連する個別計画は下記です。
・新潟県第 12 次鳥獣保護管理事業計画 ~適正な管理をすすめ、人と野生鳥獣が真に共
生する社会を目指して~(H29~H33)
・にいがた AFF リーディングプラン(新潟県農林水産業施策推進計画)(H29~H32)
そして最後に、⑹拉致問題の全面解決に向けた取組として、県民への啓発事業の継続、適時適切な政府への要請活動、海外への情報発信などを行っています。
以上が、「将来像Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟 1.安全に安心して暮らせる新潟」のまとめとなります。
2.県民全てが生き生きと暮らせる新潟
ここでは、主に3つの取組を挙げています。
⑴健康立県の実現、⑵子どもを生み育てやすい環境の整備、⑶住み慣れた地域で自立した生活が続けられる福祉の充実です。
県民福祉の向上のための取り組み内容です。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
全国トップクラスの健康寿命が確保され、誰もが十分な医療と介護を受けられるとともに、子どもを生み育てやすい環境が整備され、住み慣れた地域で自立した生活を続けられる福祉が充実した新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴健康立県の実現としては、生活習慣病の発症・重症化予防、加齢・疾病による生活機能低下の予防、県民一人一人の健康づくりの環境整備など、県民の健康づくりを第一に挙げています。さらに、地域の医療体制整備として、医療資源の効率的な配分、広域的な医療提供体制の確保、医療の高度化の促進を挙げ、医師・看護職員の確保のための働きやすい環境づくりなどにも取り組んでいます。そして、高齢者福祉についても、住み慣れた地域で安心して生活できるように、在宅医療・介護連携への支援や高齢者の自立した日常生活の支援、認知症の人とその家族を支える環境づくりにも取り組んでいます。最後に、医療・介護の現場での情報基盤の構築、健康産業の創出といった、次世代型のヘルスケアの取組にも言及しています。
関連する個別計画は下記です。
⑵子どもを生み育てやすい環境の整備については、結婚から出産、子育てまで一貫して、場づくりや相談体制、経済面などの支援体制をつくっています。さらに、特別な援助を必要とする子どもや家庭への支援として、未然防止・早期対応のための相談体制を構築し、児童虐待への対応、社会的養護体制の充実などを挙げています。また、子どもの貧困対策として、現状把握体制、子どもと家庭への支援体制を構築しています。
関連する個別計画は下記です。
⑶住み慣れた地域で自立した生活が続けられる福祉の充実として、まずは、障害者の自律と社会参加への支援、福祉人材の就業・定着の促進を挙げています。さらに、自殺対策の啓発や支援、ペットの支援もなども盛り込まれています。
関連する個別計画は下記です。
以上が、「将来像Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟 2.県民全てが生き生きと暮らせる新潟」のまとめとなります。
3.誰もが社会参画できる新潟
ここでは、主に2つの取組を挙げています。
⑴誰もが個人として尊重され、共に暮らせる社会の実現、⑵共同参画社会の実現です。
これは、男女はもちろん、様々な状況に身を置く人が、平等に社会参画の機会を得られるようにするための取り組み内容です。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
すべての人が個人として尊重されるとともに、様々な主体が協働し、社会や地域において、誰もが参画し活躍できる新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴誰もが個人として尊重され、共に暮らせる社会の実現については、相談・支援体制の推進と人権啓発の推進、生活困窮者の状況に応じた自立支援等の実施を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
⑵共同参画社会の実現については、男女平等意識の浸透と女性が活躍できる取組に加え、県民の社会活動参加の推進や非営利活動団体へのサポート、協働・連携の推進を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
・第3次新潟県男女共同参画計画(男女平等推進プラン)(H29~H33)
以上が、「将来像Ⅰ 安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟 3.誰もが社会参画できる新潟」のまとめとなります。
将来像Ⅱ 地域経済が元気で活力のある新潟
1.多様な人や文化が交わる賑わいのある新潟
ここでは、主に2つの取組を挙げています。
⑴多様な地域資源を活かした交流人口の拡大、⑵更なる拠点性の向上と北東アジアをはじめとする諸外国との交流の推進です。
これは、主に観光関連の取り組み内容です。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
広く本県をアピールしていくための新潟ブランドを構築することで、交流人口の拡大や県産品の販路拡大などにつなげるとともに、日本海側の表玄関として更なる拠点性の向上により、多くの人々が集まる新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴多様な地域資源を活かした交流人口の拡大については、国内外に通用する魅力ある観光地づくりと発信のために、競争力の高い観光地づくり、観光基盤の整備、人材・組織の育成、誘客宣伝活動の強化など幅広い施策に加え、MICE(ビジネスイベント)の誘致なども挙げています。さらに、インバウンド獲得やスポーツと文化を活かした地域づくりにも取り組んでいきます。
関連する個別計画は下記です。
⑵更なる拠点性の向上と北東アジアをはじめとする諸外国との交流の推進については、交通ネットワークの整備として新幹線、空港、港湾、高速道路網を挙げているほか、北東アジアをはじめとする諸外国との交流にも力を入れます。
関連する個別計画は下記です。
・新潟空港の路線ネットワーク戦略 2017(2017~2020)
2.活力ある新潟
ここでは、主に4つの取組を挙げています。
⑴挑戦する人や企業が生まれ、集まる環境の整備、⑵多様な雇用の場の確保と働きやすい環境づくり、⑶付加価値の高い持続可能な農林水産業の実現、⑷魅力あるまちづくりと定住の促進です。
これは、域内経済の足腰を強くしようという取り組み内容です。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
起業・創業などに挑戦する人を積極的に支援するほか、産業集積や地域資源を活かした産業振興と高付加価値化を図るとともに、多様な雇用の場を確保し、活力と元気のある新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴挑戦する人や企業が生まれ、集まる環境の整備については、起業・創業の推進のための場づくりと金銭面の支援体制を整えるほか、意欲ある企業等への支援として高付加価値企業の創出や県内企業の海外展開支援、国内販路開拓支援、地域に根差すの活性化を挙げています。さらに、再エネ活用促進と関連産業の育成、成長産業の創出としてAI/IoT/ビックデータ等の活用促進や将来性が見込まれる産業分野への参入促進を掲げています。
関連する個別計画は下記です。
⑵多様な雇用の場の確保と働きやすい環境づくりについては、雇用の場の創出とマッチングの強化、企業誘致の推進に加えて、ワーク・ライフ・バランスの推進や若年者、女性、高齢者、障害者の活躍促進、職業能力開発の推進を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
・地域未来投資促進法に基づく新潟県基本計画(H29~H34)
・第3次新潟県男女共同参画計画(男女平等推進プラン)(H29~H33)
⑶付加価値の高い持続可能な農林水産業の実現については、農業の経営基盤の強化と農産物のブランド力強化、中山間地域の活性化、農山漁村環境の保全管理と地域資源の有効活用などを挙げています。さらに、林業及び水産業の振興、そして農林水産業を担う人材の確保・育成にも取り組んでいきます。
関連する個別計画は下記です。
・にいがた AFF リーディングプラン(新潟県農林水産業施策推進計画)(H29~H32)
⑷魅力あるまちづくりと定住の促進については、魅力的な生活環境として活力と賑わい、個性、安全安心を挙げ、若者の県内定着とU/Iターンの促進のための大学の魅力向上、県内就職促進、U/Iターン者受入体制の充実を掲げています。さらに、条件不利地域の振興や豪雪対策、公共交通ネットワークとして鉄道、路線バス、離島航路/航空路の維持・充実も掲げています。
関連する個別計画は下記です。
・新潟県創生総合戦略(H27~H31)
・新潟県特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する計画(H29~H38)
将来像Ⅲ 県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟
1.県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟
これが最後の項目です。ここでは、主に3つの取組を挙げています。
⑴将来の夢や希望を育みかなえる教育の推進、⑵地域の産業・社会を支える人づくり、⑶スポーツと文化の振興です。
これは、主に教育関連の取り組み内容です。
ここではポイントだけをお伝えします。まず、この章のまとめとしては、
誰もが、一人一人の個性に応じて、質の高い豊かな教育を受けることができ、今後の発展の礎となる未来を創る多様な人材を輩出することができる、県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟県を実現する。
と書かれています。
⑴将来の夢や希望を育みかなえる教育の推進については、一人一人を伸ばす教育の推進として学力向上と教職員の能力の向上、キャリア教育の推進や私学振興を上げ、誰もが等しく豊かな教育を受けられる環境の整備のために教育費の負担減と地域連携、インクルーシブ教育システムの構築などを挙げています。さらに、魅力ある高等教育環境の充実のために県内大学の魅力向上と地域貢献取組の推進県立大学の充実と専修学校教育の推進、児童生徒が安全に安心して学べる学校づくりのためのいじめ防止、生徒指導体制の構築や防災教育、施設環境の整備を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
⑵地域の産業・社会を支える人づくりについては、医療・福祉・防災・地域づくりなどを担える人材の育成・確保、地域産業を支える人材の育成・確保と若者の定着、さらには生涯学習の環境づくりや地域社会と学校の連携を挙げています。
関連する個別計画は下記です。
・にいがた AFF リーディングプラン(新潟県農林水産業施策推進計画)(H29~H32)
⑶スポーツと文化の振興についてです。スポーツ関連では、裾野の拡大と競技力向上、老若男女を問わずスポーツに親しめる施策の推進に加えて、スポーツを通じた新潟県の魅力発信を挙げています。文化関連では、地域文化の振興、文化情報発信の強化、文化交流促進などを挙げています。
関連する個別計画は下記です。
人口減少問題への対応
そして、最後に1章30ページを割いてあるのが、人口減少問題への対応です。県政の最重要課題として位置づけられています。
新潟県では、目標として「人口動態の改善数5,900人程度(2016年度→2024年度)」を掲げています。
目標達成に向け、社会動態と自然動態に分けて対策を掲げています。
まず、社会動態については、働く場の確保と魅力向上のために以下2つを基本方針として掲げています。
1.若者や県外居住者にも選ばれる企業の育成・創出
① 所得水準向上や経営規模拡大に向けた高付加価値化
② 起業家予備軍の育成、起業希望者への伴走型支援
③「労働条件・環境」の改善
2.ヒト・モノ・情報が活発に行き交うことによる暮らしやすさや魅力の創出
① 移住希望者の多様なニーズに応える受け皿づくりに向けた環境整備
② 県都新潟市をはじめとした本県の拠点性向上
さらに、社会動態の変化が大きい進学・就業・U/Iターンの3つのタイミングについてはそれぞれ、
・県内大学等の魅力向上
・若者の県内企業への就職促進
・U・Iターン関心者の掘り起こしと、受入れ体制の充実
を掲げています。
続いて、自然動態については、所得水準の向上とワーク・ライフバランスの推進に向けて以下2つを基本方針として掲げています。
1.所得水準の向上
① 所得水準向上や経営規模拡大に向けた高付加価値化
② 起業家予備軍の育成、起業希望者への伴走型支援
③「労働条件・環境」の改善
2.結婚・子育てと仕事を両立しやすくなるような取組
○ ワーク・ライフ・バランスの企業への周知・啓発や情報発信、取組段階に応じた支援
○ 家庭と仕事の両立支援制度などの各種制度の周知・啓発、男性労働者の育児休業取得支援
○ 設備投資や技術革新への支援等、生産性向上の促進によるワーク・ライフ・バランスの取組の推進
○ 企業等と連携した、ワーク・ライフ・バランスの推進、仕事と子育てが両立できる職場環境の整備と社会全体で子育てを応援する機運の醸成
さらに、結婚と出産の2つのタイミングに分け、
・結婚を希望する人がその願いをかなえるような支援
・妊娠・出産、子育て、教育環境の充実
を掲げています。
まとめ
以上が、新潟県総合計画のまとめとなります。
ここまでお付き合いいただいた方、お疲れ様でした!
これが、新潟県の現在と未来です。228ページのPDFよりは取っつきやすい形にまとめたつもりでしたが、全然5分の分量ではありませんでした。申し訳ございません。
しかし、この記事で新潟県の基本方針のイメージはお持ちいただけたかと思います。
やはり、新潟県の最重要課題は人口減少への対応です。様々なアプローチからの人口減少問題への対応策が記載されていました。とはいえ、目標水準とのギャップはありますから、更なる取り組みが必要になりそうです。人口減少への対応には、もっともっと力を入れていきたいと改めて感じます。
今後、個別記事で人口減少問題への対応状況や、その他の各将来像の実現に向けた進捗状況についても、随時まとめていきます。本記事をここまでお読みいただき、ありがとうございました。
最後に、一つだけ。
私の願いとして、一人でも多くの人に新潟県の未来に関心を持って貰いたい。そのために、色々な切り口から情報を出しています。
ここまで読んでくださったあなたに、厚かましいですがもう一つだけお願いがあります。
この記事を一人でも多くの人に届けて、新潟のことを知ってもらいたい。こうした情報が一人でも多くの方に届くことが、新潟の明るい未来への第一歩になると信じています。
そのため、もし想いに共感していただけるようでしたら、SNSでの拡散をお願いしたいです。Twitterでも、Instaでも、Facebookでも。
何卒宜しくお願い致します!